高齢者に多い疾患 脳梗塞


脳梗塞の種類

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳の血管の病気をまとめて脳卒中と呼びます。脳梗塞は血管が詰まるタイプの脳卒中で、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)がつまったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気で、詰まる血管やその太さによって、3つのタイプに分けられます。
■小梗塞(ラクナ梗塞)
脳の細かい血管が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞。日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、主に高血圧が主因。
■中梗塞(ラクナ梗塞)
動脈硬化で狭くなった太い血栓ができて、血管が詰まるタイプの脳梗塞。高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が主因。
■大梗塞
心臓にできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管が詰まるタイプの脳梗塞。原因の多くは、不整脈の1つである心房細動。

脳梗塞の危険因子

一般的な脳梗塞のリスクは、高血圧・喫煙・脂質異常症・糖尿病・加齢が挙げられます。脳梗塞は血管が詰まる病気ですので、多くの場合、動脈硬化と深く関わりがあります。中でも、血圧が高いと血管に大きな圧力がかかり、血管壁が厚くなったり、傷つきやくすなるため、動脈硬化が促進されやすくなり、脳梗塞のリスクが高くなります。また、女性の場合、女性ホルモンで血管が守られていますが、閉経後は脳梗塞のリスクが高まります。
最近話題になっている、45歳以下で発症する若年性脳梗塞の場合、一般的な脳梗塞のリスクとは異なり、血管が破れる動脈解離、心臓の血栓が飛ぶ、足に血の塊がある、もやもや病などの脳血管性疾患などが挙げられます。

脳梗塞には前触れの症状がある

ある日突然発症する脳梗塞ですが、発症する前触れが出ていることがあります。それを「TIA」(一過性脳虚血発作)と言います。
〇片目が見えなくなったり、視野がかける
〇ものが二重に見える
〇転倒しやすくなる
〇力はあるのに立てない、歩けない、フラフラする
〇片方の手や足、顔の半分がしびれたり、感覚がなくなる
〇ろれつが回らない、言葉が出ない、人の言うことが理解できない
これらはTIAの代表的な症状です。この発作は、脳の一部の血液の流れが一時的に悪くなることで、右記のような症状が現れますが、24時間以内(多くは数分から数十分)に完全に消えてしまします。脳の血管に血栓が詰まり、症状が現れますが、脳細胞が死んでしまう前に血液の流れが再びよくなるために、脳細胞が元の機能を回復し、症状も消失するため、「疲れていたから」や「年だから」と考え、見逃してしまう人が多いようです。

しかし、一過性脳虚血発作を治療しないで放っておくと、3ヶ月以内に15~20%の方が脳梗塞を発症し、そのうち半数は一過性脳虚血発作を起こしてから48時間以内に脳梗塞を発症したことが解っています。
このような症状が出たら、「気のせいだ」などとは思わずに、神経内科、脳神経外科、脳卒中科などのある病院に受診して下さい。しかし、一過性脳虚血発作の症状は、多くの場合、病院を受診した時点で消えますので、「生じた部位」「麻痺の程度」「続いた時間」などをできるだけ正確に医師に伝えましょう。

症状が現れたらすぐに救急車早めの診断と治療を

脳梗塞の場合、脳細胞が死んでしまう前に、血液の流れを回復させることが必要です。発症後の時間の経過により、後遺症の程度に差が出てくるため、一刻も早い診断と治療が必要になってくるのです。
脳梗塞は、最悪の場合は死を招く場合もありますが、血栓によって血液の流れが止まってしまった箇所、つまり障害をうけた脳細胞の部分により、引き起こされる障害は違ってきます。よく見られる後遺症としては、感覚機能の障害、運動機能の障害、高次脳機能障害などです。
たとえば、脳の運動機能に関係する部分が壊死すると、麻痺が残ることが予想され、脳の視覚中枢ならば、視覚障害(失明、視野の欠損、視力低下など)。脳の知的中枢ならば、認知症などを引き起こす場合もあります。さらに、感覚障害、言語障害、妄想や気分・感情の異常、尿失禁といった障害が現れる場合もあります。

脳梗塞予防は、生活習慣病の予防

前述したように、脳梗塞と動脈硬化は深い関係があります。加齢とともに動脈硬化は起こりますが、動脈硬化を促進するのが、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病です。
脳梗塞の予防には、まず危険因子をできるだけ減らすことが重要です。既に高血圧、糖尿病、高コレステロール血症と診断されている方は、それらの治療を継続することが脳梗塞の予防につながります。また、心房細動(不整脈の一種)は高齢者に多く、これがあると脳梗塞になりやすいことが分かっています。心房細動があれば、脳梗塞予防のために治療を受けましょう。
食生活の面では、血圧上昇の要因になる塩分の過剰摂取は控えましょう。理想的な塩分摂取量、1日5~7gを心がけ、カロリーや脂肪分を控え、バランスのよい食事をすることが大切です。
イワシやさんまには、動脈硬化抑制効果があるといわれる、エイコサペンタイン酸を多く含んんでいます。
きのこ類、海草類、豆類、いも類には、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増加させる食物繊維を多く含んでいます。これらの食品を毎日の生活に上手に取り入れましょう。

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