高齢者に多い疾患 認知症⑧

認知症予防は、原因となる病気を予防すること
認知症とは、いくつかの症状が集まってできた症候群で、その原因となる疾患はさまざまですが、認知症を引き起こす病気のうち最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、脳の神経細胞がゆっくりと萎縮する「変性疾患」と呼ばれる病気です。また、次いで多いのが「脳血管性認知症」で、脳梗塞や脳出血などが原因で起こります。
 つまり、認知症の予防は認知症の原因となる疾患の予防をすることが大切なことなのです。アルツハイマー病は発症する25年前から始まっているとの研究報告もされています。65歳でアルツハイマー病を発症した患者さんは、40歳の時には、認知症が始まっていたということになりますので、予防は早いうちから心がけていた方が良いといえるでしょう。
 脳の成長は20歳でピークを迎え、その細胞数は最大で140億個あります。しかし、脳の細胞は1日約10万個の割合で死滅し、一度死んでしまった脳細胞は増えることはありません。脳の細胞が死んでいくのは老化現象なので仕方がないことかもしれません。しかし、身体と同じように脳もトレーニングすることで、認知症の予防につながると言われています。まずは、できることから始めてみましょう。
認知症の予防は生活習慣と活性酸素を押さえる食品の摂取
では、認知症を予防するためには、どんなことを心掛ければよいのでしょうか。「脳血管性認知症」の場合、その原因となる脳梗塞や脳出血が起こらないようにすることが一番の予防です。高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満など生活習慣病は、動脈硬化の原因となります。動脈硬化は進行すると、脳梗塞や脳出血などの原因ともなり、「脳血管性認知症」のリスクを高めます。
 偏った食生活は、生活習慣病を引き起こす原因となります。1日3食をきちんと食べ、塩分や動物性脂肪や糖分の摂りすぎに中止しましょう。
「アルツハイマー型認知症」は、βアミロイドたんぱくとりん化されたタウ蛋白が脳に蓄積されることにより脳の神経細胞が破壊される病気です。
 これまでの疫学調査では、抗酸化物質がβアミロイドたんぱくの蓄積を防ぐ効果があるとされています。活性酸素を押さえる抗活性酸素を押さえる抗酸化物質としてはビタミンE、DHA、ポリフェノールなどが有効とされます。
 緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンEやビタミンC、ベータカロチンにも、抗酸化作用があり、脳の老化を防ぐ働きがあります。
 イワシやサンマなどに多く含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを抑える作用や、血流の流れを良くする作用があります。また、赤ワインなどに含まれるポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、毎日適量を飲むと認知症の予防にいとされていますが、くれぐれも飲みすぎにはご注意を。
 また、健康な人に比べて、高血圧の人は約3倍、糖尿病の人は約2倍「アルツハイマー型認知症」になりやすいとも言われています。「脳血管性認知症」同様に、生活習慣病の予防も心がけたいものです。
有酸素運動で脳を活性化
 運動は、脳を活性化する効果があると言われていますが、特に週2回以上、1回20~30分程度の有酸素運動が効果的とされています。
 有酸素運動は、脳の代謝と循環を活発にし、前頭葉や海馬の血流が増すと言われています。また、高血圧やコレステロールの数値を下げることにも有効です。カナダで行われた研究によると、有酸素運動をしている人は、していない人に比べてアルツハイマー病になる危険度が半分になっていたと報告されています。
 速足でのウォーキングや水泳、サイクリングなどご自分に合った有酸素運動をはじめてみましょう。
脳を鍛えて活発に
 知的な活動を行っている人は、アルツハイマー病の発症の発症のリスクが低いことが解っています。知的な活動とは、家族や友人、地域の人とつながりをもつこと。何事にも意欲を持って取り組むこと。趣味を持つことなど、そんなに難しいことではありません。
 例えば、定期的に旅行に行くのもいいでしょう。知らない待の風景は脳に新しい刺激を与え、脳が活性に働きます。新しい献立を考えて料理を作ることもいいでしょう。料理を作る過程には、買い物に出かけ材料をそろえる、調理する、器に盛り付けるなど、多くのプロセスがあり、脳を活発に動かす絶好の機会です。
 編み物、園芸、日曜大工、楽器の演奏などは、考えながら指先を動かす作業です。手や指を動かすことで前頭葉などが刺激されます。
 文章を書くことや読むこともおすすめです。特に、日記を付けることは認知症の予防に有効と考えられています。また今日あった出来事を振り返ると明日への生きがいにつながります。
 同じ年齢でも若く見える人と老けて見える人がいるように、脳の老化のスピードにも個人差があります。残念ながら年齢とともに脳は萎縮します。しかし、この萎縮も個人差があり、脳を使わない人ほど萎縮は激しくなります。毎日の生活のなかで、感動する心や好奇心を持ち続けて脳を活性化させましょう。

最後に、アルツハイマー病協会が提唱する「脳を守る10か条」をご紹介します。

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