高齢者に多い疾患 認知症④(レビー小体認知症)

 

 

 

 

 

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症とともに三大認知症と呼ばれ、欧米では、アルツハイマー型認知症についで多い認知症といわれています。レビー小体型認知症は、1976年以降、小阪憲司の一連の報告により、日本で発見された病気です。

レビー小体とは、元々は運動障害を主な症状とするパーキンソン病に罹患した脳の主に脳幹部に現れる神経細胞にあるたんぱく質が溜まったものをさす言葉です。このレビー小体が大脳皮質に出現し、認知機能が障害されて起こる病気がレビー小体認知症です。残念ながら現在のところ、はっきりとした原因は解っておりません。

レビー小体型認知症の特徴

病気が初期の頃に幻視、妄想が現れます。幻視とは、実際には存在しないものを見えると感じる症状で、丸めてある布団をみて「子どもが座っている」。壁紙を見て「虫が動いている」などといった具体性のある幻視が現れるのが特徴的な症状です。

また、気分の変動が大きく、穏やかな状態とボーっとした無気力状態。時には興奮、錯乱などを、一日の中で繰り返し起こすことも特徴です。

もの忘れなどの記憶障害や、自分のいる場所がわからなくなる、日にちの感覚がなくなるなどの見当識障害も現れますが、アルツハイマー型認知症の症状より強くはありません。

もうひとつの大きな特徴は、運動機能に障害が現れます。パーキンソン病に似た症状で、筋肉がこわばる、ひとつひとつの動作がゆっくりになる、前屈姿勢で小刻みな歩行が見られるなどの症状が現れることもあります。このためレビー小体認知症の患者さんは、アルツハイマー型認知症の患者さんと比べて転倒の危険が高くなります。

多くの場合、初期に幻視などの異常行動が見られますが、記憶障害や見当識障害が少ないため、状態の良い場合には症状が解りにくいため、家族も気づかないことが多く、発見が遅れることがあります。

レビー小体認知症は、アルツハイマー認知症や脳血管性認知症と間違えられたり、パーキンソン病と診断されることが少なくありません。専門医への受信んをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

レビー小体型認知症の検査方法と診断

認知検査を含め、神経内科にて診察します。併せて、頭部CT(エックス線を使って脳の断面図を描きだす)を行い、脳の形態や、脳血管性障害(脳卒中)の有無を調べます。レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症で見られるような側頭葉内側の委縮は比較的軽度です。

また、脳の血流をアイソトープを使って調べる検査(脳血流SPECT)を行うと、後頭葉を中心として大脳が、びまん性に血流低下や糖代謝低下していることが認められます。

レビー小体型認知症の治療

今のところ、アルツハイマー型認知症の治療に使用されているドネペジル(商品名:アリセプト)や漢方薬の抑肝散がこの疾患にも有効と言われています。ドネペジル(商品名:アリセプト)や抑肝散で効果が見られない場合には、抗精神病薬を使用します。しかし、これらの薬はレビー小体型認知症の治療に対しては健康保険が適用されません(平成22年2月現在)。抗精神薬病は、神経伝達物質のバランスを整える作用がありますが、副作用としてパーキンソン症状を引き起こしやすくなります。現在では、比較的副作用の少ない、非定型抗精神病薬が有効な場合が多いようです。

 

認知症のお年寄りへの対応方法

レビー小体認知症だけでなく、全ての認知症の治療には、薬物療法だけでなく、家族や介助者がどう接するかとういうことが重要になります。
認知症の症状としてよく見られる「同じことを何度も質問する」「同じ行動を繰り返す」などは、認知障害によって引き起こされる症状です。毎日生活を共にしている家族は、つちきつい口調になって叱ってしまうことがあると思いますが、叱られた本人は、何故叱られたのか解らず「不快」「悲しい」と感じるのです。
家族や介護者は、認知症の症状の記憶障害であるということを今一度理解し、穏やかな気持ちで接してあげて下さい。食事したのに「食べていない」と言うのは、脳の満腹中枢が障害されて起こる場合と、食事したいという行為を忘れてしまう場合があります。「いま食べたでしょう」といっても本人は納得できないので「これから用意するところだから」と言ったり、おやつやおにぎりなどを少量ずつ出すなどして下さい。
記憶障害によって引き起こされる症状に「妄想」や「作話」があります。「財布をとられた」「貯金通帳がない」などということが多くあります。このような場合、興奮して「そんなことはないでしょう」「ちゃんと探したんですか?」といい返すのは禁物です。自分の気持ちを落ち着かせて、なくしてしまったお年寄り自身がいちばん困っているのだということを理解してあげることが大切です。そして、「一緒に探しましょう」と言って本人の話に合わせた対応をすることが大切です。お年寄りを子どもに対応するように叱りつけたり、お年寄りの言葉を頭ごなしに否定したりすると、お年寄りはプライドが傷つけられ、症状が悪化する原因にもなりかねません。

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