高齢者に多い疾患 認知症②(アルツハイマー病)

 

 

 

 

 

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)とは
 アルツハイマー病とは、「βアミロイドたんぱく」と呼ばれる蛋白質や、リン酸化されたタウ蛋白が、脳に蓄積されることで、脳の神経細胞が壊される病気です。アルツハイマー病の患者の脳を観察すると、神経細胞の間に老人班(シミのようなもの)や、神経原線維(糸くずのようなもの)が見られます。この老人班や神経原線維の増加に伴い神経細胞が減って行き、脳の委縮が進行します。通常成人では約1,400gある脳の重さが、発症後10年ほどで、800~900g以下に減ってしまいます。
初期の段階では、加齢による「もの忘れ」と区別がつきにくいのですが、病状が進行すると、神経細胞がどんどん壊れ知能、身体全体が衰えていきます。アルツハイマー病の発症と進行は 大変穏やかですが、確実に悪化していきます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルツハイマー病の経過
脳は「記憶する」「見たものを判断する」「決定する」などの場所にわかれています。アルツハイマー病にかかると、まず、側頭葉内側部(海馬)の脳神経細胞が影響を受けます。この部分は、 短期記憶をつかさどる場所であるため、症状として「つい先ほどの記憶」が思い出せなくなります。ただし、古い記憶が保たれているため、加齢に伴う「もの忘れ」と区別がつきにくいのですが、アルツハイマー病の場合、「何かを経験したこと自体」たとえば、ついさっき、友人に会った事実などを忘れてしまいます。
症状が 進行すると、自分のいる場所がわからないなどの「見当識障害」や「判断力の低下」などの症状が現れます。中期になると、記憶障害が顕著になり、最近になり、最近に起こったことはほとんど覚えていられなくなり、日常生活にも支障をきたすようになります。
例えば、お金の計算ができなくなる、料理の手順を忘れる、一人で外出すると道に迷うこともあります。また、病状の進行とともに、「意欲の低下」「妄想」「感情障害」などの周辺症状が出現してくることもあります。

 治療方法
 残念ながら、アルツハイマー病の症状を完治させる治療法はまだありません。現在では、対処療法として治療薬ドネペジル、(商品名:アリセプト)が使用されています。アルツハイマー病は、脳の神経細胞で情報を伝える「アセチルコリン」がすくなりますが、ドネペジルにはアセチルコリンが分解されるのを抑える効果があるため、一時的に記憶障害などの症状を改善したり、症状の進行を遅らせたりできます。そのほか、2011年1月に承認された、メマリー(商品名:メマンチン)、レミニール(商品名:ガランタミン)があります。ただし、認知症の進行を完全に止めることはできないため、初期のうちに使い始めることが重要です。
また、周辺症状に対しては、精神安定剤、抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬などで対応できる場合があります。
非薬物療法としては、ケアやリハビリがあります。中でも家族のケアは大切です。むやみにしかりつけたりすることは、症状を悪化させ逆効果になることがあり、注意が必要です。その人を否定したり矯正したりするのではなく、病気を理解し、発言や行動を受け入れることがケアにつながります。
また、医療機関や介護施設などで取り入れている、音楽療法、時間や場所、人間関係を認識させる現実見当識訓練、アルツハイマー患者自身を再認識させる、心理療法なども効果的と言われています。

アルツハイマー病の予防術
アルツハイマー病の発症には「バランスの良い食事がとれているか」「適度な連動をしているか」などの生活習慣が深く関係しているとの報告があります。自治医科大学大宮医療センターの植木彰教授の研究チームが行った調査によると、アルツハイマー病患者の食生活は、魚と緑黄色野菜の摂取量が不足しており、多価不飽和脂肪酸(体内の炎症反応などに関する、重要な生理活性物質)の摂取バランスが目立って悪かったとあります。
また、ヨーロッパで行われた調査では、適度な運動(1回20分以上の有酸素運動を週2回以上)をしている人は、していない人よりも、アルツハイマー病の危険度がおよそ3分の1になっていることが明らかになりました。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病もアルツハイマー病と関連があると報告されています。
アルツハイマー病の予防には、生活習慣病にならないような食生活、適度な運動を心掛ける必要があります。脳の活性化のためには、人とのコミュニケーションを大切にすることももちろん大切です。
 

Copyright © 2016 ういず安心なび All rights reserved.

SSL