介護報酬改定! どうなる4月からの負担額

介護保険を使って受けられるサービスの価格である「介護報酬」が4月から改定されます。この改定でなにが変わるかをお伝えします。

【年約10兆円に及ぶ介護費用の圧縮がねらい】

 介護保険は40歳以上の人が加入しなければならない「公的な保険」です。介護事業者に支払われる介護報酬の財源は、利用者の1割の自己負担金と、税金、40歳以上の方が支払う介護保険料で賄われています。

 高齢化が進むなか、介護費用は膨らみ続けています。2014年度の介護費用の予算は10兆円でしたが、2025年度には20兆円になる見通しです。そのため、今回の改定は膨らみ続ける介護費用を抑制するためでもあるようです。

 介護報酬が引き下げられることで利用者の1割の自己負担金額も変更になります。

 また、65歳以上の方が支払う介護保険料は、約15%以上の増となる試算でしたが、今回の改定により約10%増の5,500円となり、40歳から64歳の方が支払う介護保険料の伸び幅も抑えられる見込みです。

 今回の改定では、自宅で生活している要介護高齢者の生活を支援するため、訪問介護サービスや介護の必要性の高い中重度の人や、認知症高齢者が安心して暮らすためのサービスを充実させる内容になっています。

 また、介護の人材確保に向け、常勤職員1人あたり月額12,000円の賃金増となるよう「介護職員処遇改善加算」が拡充されました。

 改定による引き下げで、介護保険料の負担、利用者の1割の自己負担金を合わせると約2千億円が抑性されることとなり、国民の負担は軽減します。しかし、介護事業者にとっては減収となるため、事業の見直しが迫られる介護事業者も出てくるかもしれません。

【どうなる4月からの自己負担分】

 改定に伴い、利用者の1割の自己負担金も変わりますので、サービスごとにご説明しましょう。

■訪問介護

  日中の20分未満の身体介護サービスを提供できる事業所の要件が緩和されました。このことにより、1日に何度も定期的な身体介護を必要とする中軽度の介護者や、認知症高齢者にとって利用しやすくなりました。また、軽度者にもサービスが提供できるようになりました。

 20分以上の身体介護を月7回、生活援助を月8回利用した場合、自己負担金は月160円増えると見込まれています。

■訪問看護

  訪問看護ステーションからサービスを提供する場合の基本報酬が、20分未満が318単位から310単位。30分以上1時間未満は834単位から814単位に引き下げとなりました。
 しかし、病院や診療所からサービスを提供する場合には、20分未満が256単位から262単位。30分以上1時間未満は553単位から567単位に引き上げられました。

■定期巡回・随時対応型訪問介護看護訪問介看護

 ホームヘルパーなどが日中・夜間を通して複数回訪問するこのサービスの基本報酬は減額となりましたが、医師や看護師などと連携を図る体制を整えた場合には加算がつきます。要介護3の方が1ヶ月利用した場合、自己負担金額は月856円増えると見込まれています。

■デイサービス(通所介護)

今回の報酬改定で最も大幅な減額となりました。

 基本報酬は、「7時間以上9時間未満」の要介護3の場合、小規模デイで1,108単位から1,006単位。通常型で944単位から898単位、大規模型は、928単位から883単位に引き下げられました。

 一方で、認知症高齢者の積極的な受け入れを評価する認知症加算は60単位/日、中重度の受け入れを評価する中重度ケア体制加算は45単位/日が新設されたほか、個別機能訓練加算が増額されました。

 また、送迎時に提供される着替えの介助やベッドへの移乗などのサービスを所要時間に含めることや、送迎を行わない場合には減算することなどが打ち出されています。

 標準的なデイサービスを要介護3の人が、1日8時間、月10回利用した場合165円の負担減となりますが、認知症高齢者への対応を充実させた場合は、自己負担金額は月927円増えると見込まれています。

■小規模多機能型居宅介護

 「通い」を中心に「訪問」「宿泊」のサービスを複合的に利用できる小規模多機能型居宅介護。

 同一建物居住者へのサービスか否かで基本報酬に差がつき、同一建物居住者以外の利用者への下げ率が低く抑えられました。

 一方、訪問体制の強化や、看取り介護のための看護師の連携などを加えた場合、要介護3の人が利用した場合、自己負担金額は月559円増えると見込まれています。

■ショートステイ(短期入所生活介護)

 基本報酬は、要介護3の場合791単位から755単位に引き下げられましたが、ADLやIADLの維持・向上を目的とした機能訓練を実施している事業所については、56単位/日の個別機能訓練が加算されるほか、緊急時の受け入れが円滑になるよう、緊急短期入所受入加算が90単位に引き上げられました。

■介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

 基本報酬は、要介護3の場合、705単位から666単位に引き下げ、要支援2については456単位から308単位(人員配置を3対1から10対1に見直す)に引き下げられました。

 一方、サービス提供体制強化加算が算定できるようになり、認知症の人への対応を充実させ、看取りの体制にも加算が付きます。

■グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

 基本報酬は、要介護3の場合868単位/日から818単位/日に引き下げとなります。

 一方、夜間ケア加算が廃止され、1ユニットで50単位/日、2ユニットで25単位/日の夜間支援体制加算が新設されたほか、看取り介護加算が増額されました。

 また現状2ユニットまでの標準数を事情がある場合には3ユニットまで拡大できることとなりました。

■特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

 基本報酬は、要介護3の場合、多床室で775単位から729単位、従来型個室で723単位から682単位、ユニット型個室で807単位から762単位の引き下げとなります。要介護5の人が定員50名のユニット型個室を利用した場合、現行より810円安くなる見込みです。

 しかし、多床室については8月から1日あたり470円の室料負担を設けられるほか、水光熱費は4月から値上げとなります。

【一定以上所得者の利用者負担が見直しに特養の新規入居者は要介護3以上】

 介護サービスを利用した場合の利用者負担(自己負担金)は、現状1割とされていますが、8月以降は一定以上の所得がある第1号被保険者(65歳以上)の利用者負担が2割となります。

 合計所得が、160万円未満の方、同一世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得を合わせた金額が単身世帯で280万円未満の方、2人以上の世帯で346万円未満の方は1割負担のままですが、合計所得が160万円以上で右記の要件以外の方は2割負担となります。

 また、特別養護老人ホームへの新規入居者は原則として、要介護度3以上の要介護者に限定されます。ただし、要介護1・2の方に関しては、やむを得ない事由があると認められた場合に限り特例入所として申し込みができます。




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