病は舌に現れる!色や形をチェックして健康管理

舌に表れる変化で体の不調を読み解く
 舌の表面の粘膜は新陳代謝がとても活発で、3日ほどで新しい細胞と入れ替わると言われています。そのため、今、体がどんな不調を抱えているのかのサインが、素早く現れやすい場所でもあります。
 また、粘膜が薄いためにその下を流れる血液の状態もよく見えます。全身を巡る血液はどんな色合いか、濃度はどうかなども分かりやすく、舌の状態によって不調の予測をつけることも可能です。東洋医学では、病気を診るときに舌の色や形、そして舌の表面の状態を観察する「舌診」が欠かせません。
 レントゲンや血液検査のように、体のどこにどんな病気があるのかまでは調べることはできませんが、舌に現れる変化と不調の関係を知っておくことは、病気が重症化するのを防ぐことにも役立つはずです。自分や家族の健康管理を行うためにも、舌の観察は毎日行って損はありません。

健康な舌の状態を知れば不調による変化も見つけやすい
 舌の変化による不調を知るためには、まず正常で健康な舌の状態を知っておく必要があります。
理想的な舌の色は、淡紅色か薄いピンク色です。舌の表面の凹凸に、剥がれ落ちた粘膜細胞などが付着してできる「舌苔」は、白く、薄く、舌の表面に均一に広がっています。そして、乾燥しすぎず、適度な湿り気があります。舌の形は大きすぎず適度な厚みがあり、触ってみると張りと柔軟性があります。動きも滑らかです。また、舌の裏側に2本流れる静脈は、ぼんやりと見えるかまったく見えないのが健康な状態です。
 ただし、舌の状態はその時の状況によって変化しやすいものです。健康な状態でも、アルコールをたくさん飲んでいる時には舌の赤みが強くなります。また、氷の入った冷たい飲み物を飲んだ後には、舌は白っぽくなります。もちろん、合成着色料の入った食べ物や飲み物を口にした後、あるいはコーヒーを飲んだ後は、舌の表面に色がつきます。そのため、飲食後すぐは舌のチェックには向きません。
 さらに、花粉症や鼻炎などで常に口呼吸を行っている人は、体の不調に関係なく舌の表面が乾燥しています。これらを踏まえたうえで、舌の状態の変化を確認してみましょう。

赤すぎる舌は内臓の炎症や糖尿病のサイン?
 赤みが薄くて白っぽい舌は、栄養不足や貧血状態を表すと言われています。胃の働きの低下や消化器系の病気が隠れていることもあるため、温かくて消化の良い食べ物を摂り、舌の状態が改善されるかを観察しましょう。
 一方、舌全体の赤みが濃く深紅色になっ
ていると、肝炎などの内臓の炎症が起きている可能性が高くなります。また、東洋医学では血糖値が高くなることで血液循環が滞り、体に熱がこもって舌の赤みも濃くなると言われています。つまり、深紅色の舌は糖尿病の疑いありと考えられるわけです。また、さらに血液循環が滞ると、舌が全体的に紫色になることがあります。この場合、不整脈や狭心症、心筋梗塞などが考えられるため、注意が必要です。
 次に、舌の形です。正常な舌は、口を開けて〝ベー〞と出した時に滑らかな形をしています。しかし、舌の側面に歯の跡がついたままでギザギザになっているなら、体の水分代謝が低下している証拠。これによって舌がむくんでいるのです。余分な水分が体内に留まっていると冷えの原因になる他、花粉症やぜんそくなどのアレルギー性疾患の原因になります。また、水分の出入り口である胃腸の機能が弱っているときにも、このギザギザ舌が見られます。胃炎や十二指腸潰瘍が隠れているかもしれません。
 舌の表面に、青紫色から暗紫色のぼんやりとした斑点が現れることもあります。これはストレスや緊張で著しく血行が悪くなったときに起こることもありますが、重い病気のサインである可能性もあります。ひとつには、血行と関係が深い心臓や脳の病気、つまり心筋梗塞や脳卒中です。また、東洋医学では血流の悪化が各種のがんに大きな影響を与えると考えられており、体のどこかにがんがあると舌に斑点が現れるとも言われています。
 舌の裏側でも、体の不調を調べることができます。2本の静脈が太く怒張し、青黒い血液がはっきりと見えるようなら、例えば血行と関係が深い心臓の病気などが疑われます。その他、血中コレステロールや中性脂肪が多すぎる場合、そして高血圧などでも、静脈の怒張が見られます。

舌苔は多すぎても少なすぎてもダメ
 舌の色や形だけではなく、舌苔の状態でも病気が分かることがあります。
 舌の表面全体に薄くついているはずの舌苔が、べったりと分厚く付着し、しかもぬぐって簡単にははがれないようなら、体内に余分な水分が溜まっているのかもしれません。これは、関節痛や神経痛、めまいや立ちくらみ、耳鳴りなどを引き起こす原因にもなるので要注意です。また東洋医学では、水分が過剰だと体の中に塊を形成しやすくなると考えられており、子宮筋腫や甲状腺腫、各種のポリープのリスクが高まる可能性を考えます。余分な水分の排出を助ける大根やサトイモ、ワカメなどを食事に取り入れるとよいでしょう。
 一方、舌苔がはがれやすく、舌の表面で
まだらにしかなくなっているなら、免疫力の低下が心配です。放置していると様々な病気に罹りやすくなるため、タンパク質豊富な鶏肉や、タンパク質の分解を助ける山芋、ビタミン豊富な小松菜などをたっぷりと摂り、免疫力の強化を図って下さい。
 普段は白い舌苔が黄色くなっているなら、体に余分な熱が溜まっている証拠です。一般的な風邪や咽頭炎の他、胃炎や腸炎、膀胱炎、前立腺炎などの感染症によって熱が発生していると考えられます。ただし、これは感染症の初期段階なので、舌苔が黄色くなっていることに気づいたら早めの対応で治してしまいましょう。
 一方、舌苔の色は白いままでも、乾燥して割れて裂け目が表れている場合は、高い熱がこもる強い炎症反応が起きている可能性が高くなります。膀胱炎や腸炎の急激な悪化、あるいは肝炎の疑いもあります。
 1日1回、決まった時間に舌を観察する習慣をつけることで、正常ではない状態への変化に気づきやすくなります。毎日の体調管理に、ぜひ舌のチェックを取り入れてみて下さい。

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