ジメジメして菌が繁殖しやすい梅雨時は過敏性肺炎などの感染症に要注意

高温多湿な梅雨に活発になる風邪のウイルスがある
 ジメジメと不快な湿気が多くなる梅雨の季節は、体にも様々な不調をもたらすものです。たとえば、風邪は寒くて乾燥した冬に多いと思われがちですが、湿度が高く暑い時期を好むウイルスもいて、梅雨どきも風邪の症状が出やすくなります。とくに免疫力の低下している高齢者は、感染すると症状が長引くこともあるため注意したいものです。
 これからの季節に活発になるウイルスの代表は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルス、アデノウイルスなどです 。コクサッキーウイルスに感染すると、2日ほどの発 熱ののち 、口内炎ができます 。口内炎の痛みから食事を摂りにくくなることもあるため、栄養が不足するのが心配です。口当たりがよく、とろみのある食事を工夫するとよいでしょう。
 エンテロウイルスは腸で増えるウイルスで、感染すると腹痛や下痢の症状が見られます 。嘔吐もしやすくなり 、脱水症状が起こる恐れもあるため 、こまめな水分補給が必要です 。それほど強いウイルスではなく、免疫力の強い成人の場合はあまり心配する必要はありませんが、介護する家族が嘔吐物などで感染しないよう 、手洗いを徹底して二次感染を防ぐことも大切です。
 アデノウイルスに感染したときの主な症状は、38度から40度の高熱の他、喉の痛みや腫れなどの咽頭炎、そして目ヤニや目の充血が表れる結膜炎です。梅雨から夏にかけて活発になるこれらのウイルスによる症状は、基本的には1週間ほどで回復に向かいます。ただし、免疫力が弱っていると、1つのウイルスによる症状が回復しても次々と別のウイルスに感染して、症状を長引かせる可能性もあります。残念ながら、風邪のウイルス自体を消滅させる特効薬は今のところありません。そのため、日頃から免疫力を強くしておき、感染を防ぐか、感染しても症状が長引かないようにするしかないのが現状です。手洗いやうがいを心がけ、納豆やヨーグルトなどの発酵食品を毎日の食事の中に取り入れることで、免疫力の要である腸内環境を整えておくことが大切です。

室内のカビを吸い込むことで過敏性肺炎になることも
 梅雨の時期は、台所や浴室などにカビが発生しやすくなります 。このカビが原因で 、肺炎が起こることもあります。夏型過敏性肺炎と呼ばれ、高温多湿の日本にはつきものの肺炎です。とくに、台所で家事をすることが多い主婦に見られる傾向があり、家の中に長時間いることの多い高齢者も注意が必要です。
  夏型過敏性肺炎は、室内に発生するトリコスポロンというカビを吸い込むことで起こります 。台所や浴室などの湿気が多い場所だけでなく、梅雨の時期は畳の下やエアコンの中 、あるいは敷きっぱなしの布団の下などにも発生します。
  症状としては、咳や痰 、微熱など、普通の風邪に似ています。そして、買い物や旅行などで家から出ると治まり、帰宅するとまた症状が表れるという特徴があります 。梅 雨から夏の間ずっと症状が続き、秋になると治り、翌 年梅雨が始まるとまた同じ症状が表れるなど、何年も繰り返すこともあります。
  トリコス ポロンを吸い込んだからといって、すべての人が夏型過敏性肺炎になるわけではありません。しかし、普段から気管支の弱い人や 、喫煙歴が長い人には症状が強く現れる傾向もあります。また、一度発症すると秋になっても回復せず、カビによるアレルギー反応が続くことで肺の機能が低下することもあります。数年のうちに徐々に悪化して呼吸器不全を起こすこともあるため 、これからの季節に咳が長引くようなら、呼吸器内科などの専門医を受診することをおすすめします。
  夏型過敏性肺炎の予防には、アレルギーの元となるカビを取り除くことが最優先です 。カビは気温が20度〜30度 、湿度が60%以上になると発生しやすくなります 。そして、湿度が80%を超えると急速に増殖します 。梅雨の時期はとくに要注意で、台所や浴室はこまめに水分を拭き取り乾燥させる必要があります。また、布団で寝ていることの多い高齢者の場合 、布団がカビの発生源になり得ます。こまめに布団を干したいところですが 、天 気が悪い日が続く場合は、布団乾燥機などを使って湿気を取り除いてあげましょう。

曇りがちな梅雨の時期はうつ傾向が強くなる
雨が降り続く気候は、体だけでなく心にも悪影響を及ぼすことがあります。それは、うつ症状です。
太陽が姿を見せず、日照不足が続くと、神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が減少します。セロトニンは、ストレスに対抗したり、快眠や体の活性化を促すなど重要な役割を担っています。この物質が不足すると、怒りっぽくなったり、不眠になったり、気分が落ち込みやすくなってうつ傾向になります。うつ病の人の脳の中では、セロトニンが著しく減少していることも分っています。
梅雨の時期や冬季など、ある一定の時期にだけうつ症状が強くなる季節性うつという病気もあります。これを防ぐためには、わずかな晴れ間にはなるべく外に出て日光浴をしたり、太陽が出ていなくても朝や午前中など光の強い時間帯に外に出るようにするなど、工夫することが必要です。
また、梅雨の時期は気圧が低下しており、これが自律神経のバランスを乱します。すると、リウマチや神経痛などの持病が悪化することもあります。低気圧を避けることはできませんが、体の冷えが症状の悪化に拍車をかけるため、日頃から体を温めておきましょう。靴下を履き足先を冷やさない、ぬるめのお風呂に半身浴をして血行をよくしておく、体を冷やす生野菜や過剰な水分の摂取は避けるなどが効果的です。

鼻づまりと顔の痛みが続くなら慢性副鼻腔炎の可能性が高い
もし、梅雨の時期に頭痛や目の周りの痛みが続き、かつ鼻づまりも起きているようなら、慢性副鼻腔炎の可能性があります。
風邪などで鼻の中にウイルスが感染すると、炎症のために副鼻腔と呼ばれる部分に分泌物や膿などがたまることがあります。これがうまく外に出せずに炎症が長引いたり、細菌感染が繰り返されることで、慢性副鼻腔炎になります。症状としては、鼻づまりや鼻水のほか、目の周り、おでこなどの顔の痛みも特徴です。副鼻腔炎は、風邪のウイルスのほか、カビが原因となることもあり、梅雨には増えやすい病気なのです。
高温多湿になるこれからの季節、気候が引き金となって起こる病気があることを知っておき、早めの対処に役立てて下さい

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